初詣

1. はじめに

 毎年、我が家は、道真公ご誕生の地にある菅原天満宮に初詣に出かけています。今年は5年ぶりに西ノ京の薬師寺にも参拝し写経をしてきました。カメラを持参しましたので、作例を入れてご紹介します。

2. 日本最古の天満宮

 学問の神様として信仰の篤い菅原道真公は、平安遷都後50年程経った845年に、奈良の菅原の里に生まれました。平安京で暮らしていた母親がこの地に戻り出産されました。道真公の産湯に使ったとされるところに石碑が建てられています。天満宮といえば北野天満宮と太宰府天満宮が有名ですが、日本最古の奈良の天満宮は訪れる参拝客は多いとは言えないので、毎年3人の孫を連れてゆっくり参拝しています。

3. 薬師寺で写経

 若い頃、心の支えとなったのは、奈良薬師寺の今は亡き高田好胤老師でした。老師の法話を聞き、写経をすると、不思議と心が落ち着きました。また、老師の呼びかけでインドの8大聖地を巡る旅に同行しました。「過去と他人は変えることはできない。変えられるのは自分と未来だ」と現地での説法が強烈に私の細胞に入りました。
 また、老師から「あなたの誕生日はお母さんが一番苦しんだ日ですよ。バースデイに母親の目を見て『私を産んでくれてありがとうございました』と言えますか?」と質問されました。若い頃には照れ臭くてなかなか口に出すことができませんでしたが、後年、年老いた母に伝えたら、目に涙を浮かべて喜んでくれたことを想い出します。
 ところで米は、狭い耕地でも小麦の何倍も収穫できます。ヨーロッパを旅した人は多いと思います。何キロも小麦畑が続いている光景を見ますが、どのヨーロッパの国も人口は多くありません。日本のような1億を超える国はありません。こんなに多くの人が飢えないのは、米作をしているおかげです。主食である米が我々の命をつないでいた訳です。これも老師から教えていただきました。
 皆さん、毎日ご飯を食べるようにしましょう。元氣のもとは「米」だったのです。それがアジア人のDNAです。

4. むすびにかえて

 薬師寺の写経道場の入口に高田好胤さんの銅像が建っています。彼は74歳で亡くなりましたが、銅像のお顔は巡礼の頃とそっくりでした。孫と一緒に写真を撮りました。好胤老師のその時の教えが私の人生の基本になっています。