検証 160万円のカベ

1.はじめに

 税制改正大綱で103万円のカベが123万円に引き上げられましたが、3月4日の政府修正案で更に160万円まで引き上げられました。所得税の基礎控除は従前の48万円が、年収に応じて95万円~58万円へ段階的に引き下げられる、複雑な改定となりました。

2.160万円のカベ?

 160万円がどのようにして決まったのか、所得控除額が年収によって上下する意味がよく分かりません。年収を200万円以下から850万円超で計算すると、減税額は2~3万円になります。減税に伴う税収減を低く抑えるために逆算して作ったとしか思えない内容です。本来、租税の三原則は公平・中立・簡素です。一般の国民には理解できない内容となりました。

3.どうなる?どうする?

(1)生活費が月25万円の家計の場合、インフレ率3%と仮定すると、年間では300万円×3%=9万円生活費が増え、減税2万円では年7万円の赤字となります。
(2)仮に160万円まで働いたら手取りは約142万円になり、103万円から頑張って収入を57万円増やしても、半分は社会保険料等で消えてしまいます。
(3)新ルールでは、社会保険が強制加入となる106万円130万円がカベとなります。パート先の事業所の従業員数が50人超であれば106万円がカベ、50人以下では130万円がカベです。
(4)これからは年収180万円~200万円位頑張って働く方がベターです。年収200万円になっても、所得税はもともと税率が低いので増加しないからです。
 また、大学生等の子供がいる場合、収入制限が103万円から150万円に引き上げられる予定です。学生の就労が促され、人手不足の解消になると期待されます。

4.むすびにかえて

 財務省は減税に対し常に財源をどうするかをマスコミに流しています。今回の税制改正大綱で、来年4月から防衛特別法人税が課されることが明記されました。税率は4%アップです。毎年少しずつ増税となるのが気になります。
 今日本の税収で一番多いのは消費税で26兆円あり、そのうち輸出事業への還付金が約7兆円、つまり1/4がトヨタ等の輸出企業へ消えています。円安の今、輸出企業が潤っているわけですから、還付金を半分にして、ガソリン価格や電気代の値上げで苦しんでいる世帯に還元すべきだと考えます。
 また、インバウンドで訪日外国人数が前年比47%増3700万人に達しています。トランプ大統領は関税を引き上げていますが、日本は品物ではなく外国人に対して入国税を支払ってもらってはどうでしょうか。1人1万円で3700憶円、3万円で1.1兆円になります。財務省は景気の良し悪しに関わらず増税していますが、不景気の時は減税すべきです。要は、財務省のサイフを増やすことばかりを考えず、国民のサイフを増やしてから税収を確保する政策に転換してほしいと思います。