よくある質問– FAQ –

◆財務
メリット
・経営の原資のヒト(従業員)モノ(不動産、医療機器等)と共に経営基盤(カルテ、診療圏)を
 包括的に承継する為、開業後の事業見通しが立てやすくリスクが少ない
・持分あり医療法人の承継(平成19年以降は全て持分無し)であれば財産権の行使が可能である
・法人の繰越欠損金の承継(譲渡の意思発露や役員退職金支給等で欠損金を抱えているケース多し)
デメリット
・のれん代の発生(医療は一般に純資産価額が高い為に高額になり易い)
・コンサルフィー(最低500万円+税)…コンサル会社は譲渡総額の○○%で設定している
 ※コンサル会社を介さない場合、財務/法務/労務を包括した譲渡契約を円滑に進められるか?

◆従業員
メリット
・既存従業員のため、業務全般の指導や役割分担等を任せられる
・患者様と顔見知りであり状況も把握している事から、患者様側の戸惑いは少ない
デメリット
・質の悪い、またはボス的な従業員を抱え込むリスクあり
・給与水準は一般的に1年は現行据置き、また退職金規定や就業規則を引き継がなければならない

◆患者さん
メリット
・カルテを継承し、かつ当初数ヶ月は前院長立会いで診療引継ぎのため、既往歴等が分かり易い
・旧の医院看板を1年ほどはそのまま掲示する事で、たまに来る患者もそのまま取り込める
デメリット
・地域のかかりつけ医になる為、自分の専門性を活かせない/専門外の患者を診る事になる
 (大学病院で専門的な診療をされていた場合は、実務的、精神的に大きな壁になる)

◆契約時の留意事項
・医療法人特有の行政手続きが必要(コンサル会社はスポイルしている)
 対価100万円前後
・医療訴訟(特に美容整形や外科関係)について取り交わしが必要
・財務/労務/法務の3つの視点でのデューデリジェンス(望むべくは)

◆むすびにかえて
失敗しないM&Aのポイントは以下のとおり
①患者はドクター・ナース等のスタッフについていることが多い。3年前のクリニックの収益が3年後も獲得できる保証はない。
 売買価格の中に含まれる営業権 (のれん代) の価値判断は慎重に
②契約締結後に税務調査があり、多額の追徴税を支払うことになった事例や、未払残業代の請求を受けた事例も発生している。
 契約前のデューデリジェンスに注力することが大切。
 ・財務調査:特に隠れた負債や異常値のチェック
 ・法務調査:保有する契約書、訴訟等の法務リスク
 ・運営調査:診療内容、患者数、スタッフのスキルや士気
 ・施設調査:設備や建物の状態、修繕や改装の必要性